2007年08月01日

第五回のゲスト:神野美伽さん

丹まさとと語る 演歌もう一杯!メイン

第五回のゲスト:神野美伽さん
今回のゲストは、広がりのある豊かな歌声に加え、ハツラツとした性格も魅力的な神野美伽さん。日本語の味わい深さに満ちた新曲「ふたりの旅栞」に迫りました。


【人生にフッと挟まる〈旅栞〉】
丹まさとと語る 演歌もう一杯!:新曲「ふたりの旅栞」ですけど、〈淋しくはないですか…/古い友だち 遠くになるわ〉という女のやさしい心。涙が出るような。これは団塊の世代に向けてね。
神野:そういった方々の今と重なるところを歌いたいなって、詞をハメてもらったんですよ。私、キングレコードに移籍して丸8年経つんですけど、ほとんどが主人(荒木とよひさ)と岡千秋先生のコンビで、メロディーが先のものが多いんです。今回のテーマは〈旅〉なんですけど、その旅が何なのかは作詞家に任せて、岡先生にも旅をイメージしたメロディーをお願いして。
:ドラマがあって、とても素敵な、さすが荒木さんだなって。
神野:ありがとうございます。(「ふたりの旅栞」の主人公は)夫婦に違いないと思うんですね。夫婦はお子さんができて、子供を介しての男と女に変わっていくんですけど、いつかもう一回二人で向き合う時が来る。その時が、ちょうど60歳くらいじゃないかなって。最近はUターン現象といって、旦那様や奥様のふるさとに帰られたり、海外に移住なさる方も少なくないでしょ。この歌は、そのどちらでもなくて、ご主人が一番行きたかったところ。二人で何度か旅行をして訪ねている土地だと私は想像するんですけど、それを信濃路に決めて。
:そこに行く途中の歌ですよね。年を取ったら都会での生活を切り替えて、夢の信濃路に行きたいと。
神野:ある程度やるべきことをやったら、最後は好きな人と好きなことをやっていいと思うんですね。〈旅栞〉っていうのも、ひとりの人生を一冊の本に例えて、そこにフッと挟まる、一区切りという意味ですね。
:〈栞〉というのは、迷わないように道に枝を折って置くという意味もありますよね。だから、挟むという意味と、そこから出発するための印という意味と。
神野:あー、そうなんですね! それと、言葉のトリックで、〈秋深い信濃路〉〈初雪の信濃路〉〈春遅い信濃路〉って、季節が展開している気がするんですけど、実は同じ時のことで。〈秋深い〉は冬の始まり、〈初雪〉も冬、〈春遅い〉もやっぱり冬。私も勘違いしそうになっちゃって。
:秋深いということは、初雪もイメージするし……奥深い歌ですね。

丹まさとと語る 演歌もう一杯!【お客様が大好きなんです】
:神野さんはいつ見てもとても健康そうで。
神野:よく言われます〜(笑)。しっかり眠って、しっかり食べて、やりたいと思ったことはすぐやる。行きたいところは日帰りでもバーッと行きますし、演劇や芝居も一人でパパッと行くんです。そういう栄養がないと、人前に出た時にものすごいしんどくて。いっぱい刺激を受けて、何かを感じている人の歌って、やっぱり伝わると思うんですよね。
:歌を聴かせるだけじゃなくて、神野さんの感性とか新鮮なエネルギーも伝えたい?
神野:もちろん一枚でも多くCDを買っていただかないといけないんですけど(笑)。私が幸せなのは、ここ数年間、こんな風にありたいという思いをはっきりさせられているし、自分のメッセージを乗せられる作品を与えてもらえていると思うんです。それと、お客様って不思議で、信頼関係があって。初めていらっしゃった方が、私の歌を聴いて、ボロボロ涙を流してくださる。それは、私の歌に対して“あなたのメッセージを感じてるわよ”っていう気持ちがないと泣けないと思うんですよ。10代の頃に、師匠の市川昭介先生に、“お客様に信頼される歌い手になって欲しい”ってずーっと言われてたんですけど、20年くらい経って、「浮雲ふたり」(2003年発売)という作品と出会ってから、舞台の上で、お客様と私の間になんとも言えない空気ができて。その時に市川先生が言っていたのは、こういうことなんだな、と感じることができたんです。
:お互いを信頼し合える空気っていうのは?
神野:私は10代で一人で東京に出てきて、知らず知らず身を護ることばかりを身に付けてたんですけど、8年前に結婚して、何があっても帰れる場所を見つけたんでしょうね。そうしたら本来持っていた人好きなところがすごく出てきて、お客様に対しても……私、大好きなんですよ、お客様が。そういうお客様との距離感みたいなものって、人間だから通じるでしょ。信頼云々っていうことも、今はこういう時代だから、私が結婚していること、相手が誰であるとか、みんなわかるわけですよね。昔のスターみたいに神秘的じゃないんですよ。どっちがどうっていうことではなくて、こういう時代だから、いろんなことを含めた神野美伽の歌が好き、共感できるって言ってもらえたらいいなぁって思いますね。


【神野美伽 / プロフィール】
1965年生まれ、大阪府貝塚市出身。1984年「カモメお前なら」でデビュー。「男船」「じょっぱり船」「連絡船恋歌」「春夏秋冬屋形船」など、“船”をテーマにした演歌で人気となる。ハツラツとした性格と豊かなチャレンジ精神で、1999年には全曲韓国語のアルバム『海峡をこえて…OVER THE SEA』で日本人初の韓国デビュー。NHK「紅白歌合戦」には1987年、2003年の二度出場を果たしている。
公式サイト http://www.kingrecords.co.jp/shinnomika
『ふたりの旅栞』神野美伽 『ふたりの旅栞』
CD:KICM-30088 カセット:KISX-30088
各1,200円(税込) キングレコード 発売中

神野美伽リサイタル'07
10月3日(水)渋谷C.C.Lemonホール(渋谷公会堂)
(問)東京音協 03-3201-8116
posted by staff at 16:20| 対談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする