2007年05月02日

第二回のゲスト:米倉ますみさん

丹まさとと語る 演歌もう一杯!

第二回のゲスト:米倉ますみさん
今回のゲストは、浪曲師としての経歴を活かした情感溢れる歌で、多くの演歌ファンを涙させている米倉ますみさん。今の時代にこそ聴いて欲しい名曲「浪花の子守唄」は5月23日発売。子を持つすべての母、母を持つすべての子、必読の対談です。


【扇子は芸の命と思え】
丹まさとと語る 演歌もう一杯!:僕の作詞した「人生花」(1998年4月発売シングル「夫婦花火」に収録)を歌っていただいて、あれからだいぶご無沙汰してしまいましたね。
米倉:あの頃はポスターをお店に貼って下さったので、思いもかけない方が聴いて下さって。毎月いらっしゃるダスキンの方に、“いつも米倉さんと一緒におそば食べてます”って言われました(笑)。ありがとうございます。
:米倉さんはセリフがとてもお上手で。“セリフは歌え、歌は語れ”という言葉もありますけど、何か秘訣はあるんですか?
米倉:上手いかどうかはわかりませんけれど、元々浪曲師なものですから、セリフに違和感をまったく感じないんですね。浪曲師は一人でいろいろな登場人物を表現しなきゃいけないものですから。ただそれだけなんです。
:歌う時の所作で気を付けていることはありますか?
米倉:実は曲によってマイクの持ち手も変えているんです。それがいいことなのかはわからないですけれど、どの曲でもそのシーンの現場に行けるかが大事だと思うんですよ。そのためにイントロの頭の音から気持ちを入れるので、その時によってマイクの持ち方も違うと思います。男っぽく歌う時は利き手の右手で力強く握りますし、女っぽく歌う時には優しく持ちますし。もっと繊細な気持ちの時は左手になります。でもね、幸か不幸か、あんまり女らしい曲はございませんの(笑)。
:ハハハ(笑)。扇子もよく持たれますよね。
米倉:はい。これは浪曲の師匠である父からの教えなんですけれども、浪曲ではテーブルがあって、お客様からは上半身しか見えないんですね。だから動きも出ない。それで私の父は“お扇子を使った所作を大切にしなさい”と。だからお扇子は“お前の命だと思え”“これは芸の命だ”と言われていたんです。

【母親の究極の愛「浪花の子守唄」】
丹まさとと語る 演歌もう一杯!:米倉さんの歌には人生ものが多いですよね。応援歌、母もの、夫婦もの、どれが一番好きですか?
米倉:全部自分の作品だし、表現できることを喜びとしているものですから、どういったテーマが嬉しいかというのはないです。ただ、居心地のいいというか、やりやすいのは人生の応援歌であったり、母ものだと思います。やっぱり親不孝しておりますから(笑)。
:お母さんはお元気ですか?
米倉:実は亡くなってもう5年経ちました。正直に言いまして、この5年間は、本名の米倉澄子の状態では、なかなか立ち直れなくて。やっぱり母にしてあげたいこともいっぱいありましたし。周りの方は“よくやったよ”と言って下さるんですけれど、自分の中ではやりきれていない気持ちが大きくて。それが最近やっとふっ切れるようになって、そろそろ母の歌が歌えるかな、と。
:今度発売になる「浪花の子守唄」ですよね。見事に歌われていて、セリフも本当に素晴らしくて。
米倉:母が主役の歌なんですけれど、私は結婚もしてませんし、子供を産んだ経験もないですから、母親になった感情というのは、どう持ってきても作り物なんですよね。でも、子供として母を見てきたことは作り物ではないので、その母の姿をそのまま表現しました。
:母の愛情を十分吸収したから、ああいうセリフが上手く言えるんでしょうね。つい涙が出てしまいます。
米倉:ありがとうございます。実はこの「浪花の子守唄」は、「俺の出番はきっと来る」でデビューをして、明くる年に一度発売しているんです。ところが、その頃「俺の出番はきっと来る」(のセールス)がよくなってきちゃって、ほとんどステージで歌う機会もなく。ましてや母が病気になり、亡くなってからは、この曲は歌えなかったんだと思うんですよね。あまりにも辛くて。それが去年の暮れくらいから、やっと自分の中でも明るさが戻ってきて。不思議なもので、それと同時にファンの方やスタッフの方から、“「浪花の子守唄」をもう一度”という声がありまして。それが一回や二回じゃないんですよ。だから母からのメッセージのような気もして。
:今の殺伐としている時代の母親にも子供にも聴かせてあげたい歌ですよね。〈出世しろとは言わないけれど せめて真っ直ぐ歩いておくれ〉というのは本当の気持ちだからね。
米倉:どなたでも、ふとお母様のことを思っていただければ、この母親の気持ちはわかっていただけるんじゃないかと思います。お母様によって表現の仕方が違うとは思いますけれど、母親の究極の愛とはこういうもので、この歌の心を母の心だと思って、生き甲斐にしていただけたら嬉しいなと思います。


【米倉ますみ / プロフィール】
『浪花の子守唄』本名、米倉澄子。1961年生まれ、愛知県一宮市出身。浪曲師であった父・東家楽友のもと修行に励み、1978年にNHK第6回新人浪曲コンクール最優秀賞を受賞。1980年には浪曲家として真打披露。そして1983年、「俺の出番はきっと来る」でビクターよりデビュー。以後、20年以上の長きに渡り、歌手として第一線で活躍。来る5月23日に、究極の母親の愛を歌ったシングル「浪花の子守唄」を発売予定。

米倉ますみ 『浪花の子守唄』
VICL-36296(CD) VISL-30619(CT)
\1,200(税込) ビクター 5月23日発売


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