2007年11月01日

第八回のゲスト:香西かおりさん

丹まさとと語る 演歌もう一杯!

第八回のゲスト:香西かおりさん
今回のゲストは、しっとりとした歌声で、グッと心に響く歌を聴かせてくれている香西かおりさん。ポンポンポンの歌声が軽快な最新曲「秋田ポンポン節」で、また新たな魅力を届けてくれた香西さんに丹氏が迫りました。(撮影:綿谷和智)


【企業戦士にも当てはまる「秋田ポンポン節」】
:最新曲の「秋田ポンポン節」は、ポンポン船で漁に行って、「大量に積んで帰ってきたぞ」って、ポンポンというエンジンの音を喜びの表現に置き換えているんですよね。
香西:そうですね。今回はリズムも軽快な歌なんですけれど、そういう喜びの表現として、より軽快さが出るほうがいいなと。
:はじめ2行は特に民謡的な歌い方をされていますよね。
香西かおり香西:私が民謡出身ということもありまして、作曲家の浜圭介先生のほうからも、「今回の作品は民謡のこぶしと声っていうのを聴かせたいんだ」というふうに言っていただいたので、そこを意識して歌っています。
:テンポよくポンポンポンっていう言葉が出てくるのがとてもよくできていますよね。先生からこの曲をいただいたときはいかがでした?
香西:私も港町の生まれで、子供の頃からポンポン船が艀(はしけ)を行きかう景色を見慣れていたので、リアリティもありましたし、すごく親しみが湧きましたね。
:この歌を通して一番大事にしてるところは?
香西:ポンポン船ということで、遠洋漁業などではなく、より日常に近い部分をテーマとしているんですけれど、家族愛だとか、命の大切さだとか、“日々の暮らしの中にある大切なもの”ということを、勢いがあるけど、どこか温かい、というイメージで歌っています。ひとつのスタイルとして漁師に例えているんですけれど、今でいう企業戦士にも当てはまるんじゃないかと思っているんです。頑張っているお父さんがいて、お母さんは家を守って待っている。殺伐としている今の世の中で、やっぱりそこに帰りたいっていう思いだとか、ちょっと懐かしいなと思う感じって、とっても大事なことだなと思うんです。以前はそれが正しく理想系だったんだけれども、だんだんいろんなものに追われる立場になって、大変な思いをして、そのわりには気が付くと寂しかったりとか。でもそうじゃなく、そういうことを思い出そうよ、振り返ろうよっていうメッセージもあると思うんですね。
:その厳しい社会を日本海の荒海に例えて。とてもうまいところを捉えてますね。
香西:ありがとうございます。それと今までの作品は、わりと女歌で、悲しみを表現する歌が多かったので、ファンの方もすごく新鮮さを持って聴いていただけると思います。

【すべてに共通する“人としての感情表現”】
丹まさと:歌手としてプロフェッショナルを支えるものは何ですか?
香西:基本的にステージに立っていることは好きなので、お客さんが多かろうが少なかろうが、一緒に歌の世界を共有できる空間っていうのがすごく楽しいですね。言葉には出さないですけれど、「今こんな感じなの、聴いて」って。いろんな想いがあって、その空間が成立しているので、やっぱりそれが支えなのかなぁ。もちろん、日々の暮らしの中の家族とかスタッフの存在もありますけど、やっぱりステージに上がっているとホッとしますね。ステージで歌っているときって、自分らしくいられる時間ですし。どこからも横槍が入らなくて(笑)。歌に没頭していると、好きなことをやっているからやっぱり幸せじゃないですか。その時間があるということが一番だと思いますね。
:いろんな種類の曲を歌われる中で、すべてに共通しているものはありますか?
香西:やっぱり人としての感情の表現じゃないですか。そこにはたぶん、分かち合う何かがあると思うんですよ。寂しさだったり、喜びだったり、共感できる何かが。「秋田ポンポン節」では、ポンポンポンって男鹿の港をイメージして歌っていますけれど、聴いている人にとっては故郷の海かもしれないですし。だから、そういう疑似的な部分かもしれないけれど、いろんなものを耳から聴きながら、感じたり、思い出したり、っていうことだと思うんですよね。
:最後に、これからの夢をお聞かせいただけますか?
香西:まず、歌手として継続していくことが一番なんですけれど、今はジャンルがすごく増えて、聴きたい音楽はイヤホンとかヘッドフォンで個々に聴いていることが多いじゃないですか。それも進化していくと今後どうなっていくかわからないですけれど、スタイルが変わっていっても、音楽を聴く人口が減っているわけではないので、“時代の中で受け入れていただける音楽”というものにちゃんと関わって、ステージに立ち続けていたいなと思います。


【香西かおり / プロフィール】
1963年生まれ。大阪府出身。向かいの家のおばあちゃんに誘われ、11歳より民謡教室に通い、数々の賞を受賞。その後上京し、作曲家・聖川湧に師事。1988年に「雨酒場」でデビューし、日本レコード大賞新人賞を受賞。1993年の「無言坂」は、日本レコード大賞で大賞を受賞するなど、この年を代表する大ヒットを記録。昨年までに紅白歌合戦には14回出場するなど、日本を代表する歌手として活躍している。
『秋田ポンポン節』『秋田ポンポン節』 発売中
CD:UPCH-80030 カセット:UPSH-80030
¥1,100(税込)NAYUTAWAVE RECORDS
公式サイト
http://www4.famille.ne.jp/~aurora/kozai/
posted by staff at 17:53| 対談 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする